宝塚市のF様より、和室の天井リフォームのご相談をいただきました。
こちらがbefore画像。
こんな風に天井板を重ね張りして「竿縁」という細い材木で支える技法を使ったものをイナゴ天井といいます。
この天井の一角にある、昔の雨漏りでできたシミ。
これが目について気になるため、天井板全体を張り替えたいとご希望なのですが、問題は竿縁にもシミが多く出てしまっていること。
塗装で視覚的にシミを無くすこともできますが、この既存の竿縁は天然の杉材。
できることなら風合いを損ねる塗装は避けたいと考え、お施主様、大工さんとも相談の上、「灰汁(あく)洗い」することに決まりました。
「灰汁(あく)洗い」とは木材に染み込んだ汚れを取り除く方法で、今回のような染み抜きの他、カビや日焼け落としにも使われる技術です。
↑天井板を全て取り外し、灰汁洗いに備えます。
そして・・・こちらが灰汁洗い後!
想像以上に綺麗になりました!↓
このような和室天井の洗い工事は今時とても珍しくなったと、工事中に大工さんや洗いの職人さんと話していました。
古くなった和室は洋室にリフォームされることが多いことや、もともとある材の良さを生かすことが必ずしも優先されるとは限らない現状。
大工さんと職人さんも何十年ぶりかの仕事だと、感心しきりでした。
一見、古く汚れてしまったものでも、きちんと手を入れれば美しく蘇る。
施主であるF様の英断により、私もとても貴重な体験をさせていただくことができました。
そして今日は綺麗になった竿縁に天井板を貼る工程へ!
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